映画「スタートライン」

土曜日に、同じ教会の姉妹から回ってきた情報。8月26日までの限定公開だから見てほしいと(もう終わってしまいました)。なんと埼玉県三芳町プレゼンツ。土曜日まで私がいたところだ。でも、その映画のこと、知らなかった。2016年は、私、何をしていたんだろう。

今村彩子さんは、ろう者の映画監督。彼女の声は、少し聞いただけで、聞こえない人の声だとわかる。友達の声と似てるから。聴者とコミュニケーションができるようにと、亡くなったお母さんは、彼女を一生懸命育ててくれたんだと思う。

自分に向き合うために、自転車での日本縦断(57日間)を決心した今村さん。彼女の友人、手話初心者の堀田さんが、伴走とカメラ撮影を引き受けてくれた。プラス叱咤激励(500回以上!)18㎏の荷物を自転車に載せて、沖縄県宜野湾市から日本最北端の宗谷岬まで。エンドロールで、使用前・使用後みたいな数字が出て来るんだけど、今村さんの体重が+0.5㎏増加しているのに対して、もともと痩せ型の堀田さんの体重が-12㎏だって。これが一番インパクトがあった。

ひぇ~!すごいよ、身を削ってくれたのね。

・序盤から今村さんは叱られる。「前にも教えたけど、ハンドサイン(右折、左折、止まる等、ふたりの安全を守るもの)をしっかり覚えて、後ろにいる伴走者に示すこと。そうでないと、どっちかが死ぬよ。」

曲がり角があったら後ろを振り向くというルールを作ったのに、めんどくさくて振り向かなかった今村さんに「離ればなれになったら、道がわからなくなる。二度と会えない。」

・不安や怖さ、疲れから、下り坂でブレーキをかけたくなる。それで再び注意を受ける。下り坂の勢いで、上り坂は上れるんだそうです。余計な体力を使わずに済むのね。

道に迷ったり、港が2つあって焦ったり、台風でフェリーが欠航になったり、雨が多いときの自転車のメンテナンス。冷房と暖房がわからないくらい心が疲れたり。いろいろあるんだねえ。助けを求めたり、自転車旅をしている仲間に声をかけたり(孤独なレースではないと知らせるため)。口が読み取りにくかったり、同障者との出会いから学んだり。

「耳が聞こえない」と説明すると、なんか勘違いして、英語で話しかけてくる人いるよね。私の父も、夫に対して英語で話しかけるもんね。何年たっても。

聴者の複数の会話に入れないことも。「同じ質問をしてしまうかもしれない」という恐れを打ち明ける今村さん。すると堀田さんは、「同じ質問をしてもいい。そうしたら、この人は耳が聞こえていないんだとわかるから」と言った。

逆にろう者が集まるところでは、今村さんは自由に話せて、手話初心者の堀田さんのほうが置いてけぼりになってたり。耳が聞こえていても、話の内容について知識がないと、会話に入れないし、方言まるだしの会話は、理解できないこともあるし。

自分のふがいなさにイライラして、体も休ませないと、心が疲れる。信号黄色でも気づかずに進んでしまうし、気づいても突っ走る。また注意を受ける。タイヤがパンクして、修理に時間がかかる。出発して交通ルールを無視する。また叱られる。叱られても「ごめんなさい」を言わない。失敗を人のせいにする。

堀田さん「私が怒っているのは、あなたが死なないためだよ。」厳しくも優しい言葉。

頑固だよね。自分の弱さを認めるのってタイヘン。

いやー、ホント偉い。勇気がある! よく包み隠さずに映画にしたね。拍手!

聖書のことば「たとい主があなたがたに、乏しいパンとわずかな水とを賜っても、あなたの教師はもう隠れることなく、あなたの目はあなたの教師を見続けよう。あなたが右に行くにも左に行くにも、あなたの耳はうしろから「これが道だ。これに歩め」と言うことばを聞く。」イザヤ30:21-22

 

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