網膜剥離について思うこと

夫が網膜剥離になるまで、この病気のことをよく知らなかった。遅まきながら、インターネットで検索して、体験者のブログや眼科のHPを調べては、面会時に夫に報告していた。面会に行くのは15時から20時の間。17時半近くになると、夜勤担当の看護師さんが見回りに来る。朝と夜、術後の患者に対して「痛みはありますか?目やには出ますか?充血していますか?目を見せてください。」と聞くのだ。病室のカーテンがしっかり閉められているので、患者さんやお見舞いの人とあいさつもしづらい。でも、カーテン越しに他の患者の様子、声も伝わってくるので、滞在中は、いちいち手話や筆談で夫に伝えていた。夫も「(耳が聞こえるって)便利だなあ」と感心していた。目が充血していたり、出血してベッドのシーツが汚れてしまったり、傷が痛んで眠れず、眠剤をもらう人もいるのだなとわかった。でも、夫は、手術の翌日から目がとてもきれいで、痛みを訴えることもなかった。神様の守りだと思うが、不思議だなあと感じていた。

手術の方法には大きくわけて2つある。

①硝子体手術。正式名称は「硝子体茎顕微鏡下離断術」、あとで調べたが英語名称はPars Plana Vitrectomy(PPV)。病院からもらった書類には(PPV 25G)と書いてあった。25G(ゲージ)、つまり0.5㎜の器械を使った眼内内視鏡ってこと。(これを夫に説明しているときにちょうど0.5㎜のペンを使っていた)入院時に医師から説明があったのは、こちら。網膜剥離以外の病気を治すためにも用いられている。高齢者など、重度の網膜剥離の手術に用いられている。

②強膜バックリング。強膜内陥術。目玉の外側(白目)から処置をする手術。網膜復位術とも言う。Sclera Buckling(SB)。

網膜剥離は、年齢・剥がれている程度と範囲、白内障の有無、穴の大きさなどで、手術の方法が違うらしい。近眼の人は、目の形が楕円形なので、網膜に弱い部分ができやすいという。目の健康にいいと思って一生懸命目の体操をした結果、網膜剥離になる人もいるという。

だから、同じ病室の患者さんでも、個々の症状に応じて手術の方法が違うのでは?と思うようになった。医学用語は難しいけれど、英語のサイトを見るようになった。日本では、学会員とか医療関係者でないと、詳しい情報を手に入れることができないみたい。本屋さんで、「眼科の医学書」と一般人向けの「目の健康」の書棚が両端にあったりする。大きな本屋さんだと歩いて移動しなければならないから大変。

ブログやヤフーの知恵袋を見ると、網膜剥離の手術を受けて、視力が回復せず、ゆがみも生じて悩んでいる人が多い。「視力を失わない生き方」という本を読んで、日本の手術方法は、SBが主流なのだと知った。日本人は英語ができなくて世界で起きていることがすぐに入って来ないのと、日本は多数決社会で、正義よりも、数の多い間違った考えが優先・優遇されるからだという。この本には書かれていないけれど、旧優生保護法も、戦争が終わって日本の人口が増え始めてから(1948年)人口を減らすために導入されている。多くの健康な障害者(聴覚障害者も)が、善意から、強制的に不妊手術を受けさせられたことが明らかにされている。高齢になった被害者が、声を上げ始めている。

著者である深作秀春氏のクリニックが横浜にあるのを前から知っていたら、場所も近いし、直接そこに行っただろうなと思う。でも、人間的な力に信頼して、神様に信頼することを忘れそうだなとも思う。もし将来、自分が白内障とか目の病気になったら、大学病院には行かないかもなあ~。

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